総合的な学習実践記録6年生(3) 「脳死と臓器移植について」  講師:岐阜大学 近藤真庸先生

    

【授業について
 生きているとはどういうことか?脳死とはどういうものか?などを楽しく子ども達に説明していただいた。そこから,臓器移植の問題,そしてドナーカードのことを子どもたちともに考えるという貴重な授業であった。授業の最後に,近藤先生が,「今,あなたが,ドナーカードへの意思決定を求められたらどうしますか?」という問いかけをされた。この問いかけに子どもたちは,無記名で答え,小さな箱にいれた。
 質問の選択肢は「ア:1の臓器を提供しますに丸をつける」  「イ:1には丸をつけない」  「ウ:決められない」の3つ。この結果は,近藤先生は,ご自分の研究室で集計し送ってくださった。

 子どもたちは,授業後,まとめのカードを家庭に持ちかえり,家族と一緒に「脳死」「臓器移植」について鉛筆対談で話し合った。その内容についても紹介する。

「脳死臓器移植」の授業   6年1組 38名(欠席1名)2002.5.24

★今あなたが、ドナーカードへの意思決定を求められたらどうしますか?
ア.「1」に○をつける       16名
【理由】
・自分の代わりに幸せに生きてほしいから。
・その人にまだ生きていてほしいからです。
・心臓の弱い人を助けてあげたいから。
・ちがう人を、ぼくは、たすけたいからぞうきていきょうをやってもいいと思う。
・どうせ死んでしまうから何なら人を助けたい。人のやくにたちたいからだと思います。もしその人が助かったら自分も生きてる気がするから。
・どっちみち10日後には死んじゃうからまだ生きている人にていきょうしたい。
・病気の子がかわいそうだから。
・死んじゃうなら人をたすけたいからです。
・自分がただ死ぬだけじゃなくて、他の人を助けて死にたい。
・脳死したらもうなにも分からないから。
・たとえ家ぞくに会えなくても、10日でなにもなく死ぬよりは、どこかでくるしんでいる人をたすけてあげたい。私は死んでしまっても、私のかわりにほかの人に生きてもらえるとうれしいから。
・自分はもう生きられないと思うから。
・自分が死んであいても死ぬより、自分が死んで相手が生きている方がいいから。それと人を助けたいから。

・自分が死んでて、しんぞうが動いてたらもったいないから。
・もう死んでしまったら、「元気になりたい」と思っている人に臓器を提供します。それを第1に考えます。
イ.「1」に○をつけない。 15名
【理由】
・自分が死んでも他人の人にはしんぞうはあげたくない。
・また生き返るかもしれないから。
・治りょうすれば、たすかるかもしれないから。
・人工呼吸器があれば10日間ぐらい家族といっしょにいられるから。
・ながく生きたいから。かぞくとながくいたいから。ともだちとながくいたいから。

・もしかしたら助かるかもしれないし、最後は家族といっしょがいい。
・自分の体を人にあげたくない。最後は、自分そのものの体で死んでいって、おそうしきをあげてもらって骨になりたい。
・もしかしたら生きかえるかもしれないし、少しでも家族といっしょにいたいから。
・心臓をあげずに、家族と10日間すごしたい。
・少しでもたすかるほうほうがあるなら、そっちにかけたい。
・心ぞうがないままあの世に生きたくないからです。
・10日間生きれるなら10日は生きたいから、2番だったらいい。
・脳は動いていないけど、心臓が動いているからたすかるかもしれないし、もしたすからなくても10日過ごしてみたい。
・かぞくと少しでもいっしょにいたい。
ウ.決められない。          6
【理由】
・頭や体のちりょうをしてなおったら心臓はほしいし、なおらなかったらあげたいから。
・「心臓をあげてもいいけど、自分が死んでも助けたい。」といつまでも決められないから。
・最後まで家族と一緒にいたいし、レシピエントの人がかわいそうだから。・自分も助かりたいし、あいてもたすけたいと思っていた。
・もちろんレシピエントの人にはたすかってほしい。でも、自分が死んだっていうふうに思いたくないし、だからまだ決められないです。気持ちは五分五分です。
・すこし考える時間がほしいから。

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授業後の鉛筆対談から
 授業後の課題として,子どもたちは,「脳死移植」について,家族と鉛筆対談を行った。鉛筆対談は,これまでの授業でも,何度か取り組んできたまとめの方法のひとつである。今回は,「もしも,自分が脳死状態になったら,家族は臓器の提供を(する・しない)と思う。その理由は,      と思うからです。」という各自の予想をもとに話し合ってもらった。★授業のまとめのカード作成にあたっては,上條晴夫著「総合的な学習のための教育技術 調べ学習のコツと作文的方法」(健学社)から,「書き出しを与える方法」「もしも作文」「えんぴつ対談」を使用した。    
   
女子の感想           10
男子の感想           10 11 

 女子の感想1
 自分が脳死状態になったら,家族は臓器の提供をしないと思う。その理由は,かなしくなってしまうから。
家族::臓器を提供したことによって,提供された人の命が助かれば,その人の中で生き続けるような気がするから提供する。
子::ふーん。そうか。
家族::もし,お母さんがそうなったとしたら,提供してもらいたいなと思う。
子::えー!なんで?
家族::さっき,あなたが予想したことについてどう思っているか書いたでしょう?自分が真でも助かる命があると嬉しいなと思うから。
子::ふーん。そうか。あなたはどっちかというと,迷うなあ。だって,他の人が助かっても自分が死んじゃう。でも助けたいって迷う。
家族::脳死状態のままでいるよりもいいと思う。
子::まー,そうだよね。脳死状態よりはいいかも…。
家族::死ぬということは悲しいことだから,すぐに決断できないかもしれないけど,今はそう思っています。
子::ふーーん。お母さんは今,そう思っているんだ。

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女子の感想2

 自分が脳死状態になったら,家族は,臓器の提供をしないと思う。その理由は,赤の他人にどうしてあげなくちゃいけないのかということと,最後までお世話をしてあげたいと,思ってくれるだろうから。
家族::そうだね。おじいちゃんがくも膜下出血で脳死状態になった時,お母さんは,看護婦もあるし,臓器提供の事も考えたけど,脳は死んで何もわからないとは言っても,心臓は動いているし,手足も温かいおじいちゃんを切り刻むなんてこととてもできないって思ったよ。
子::やっぱりね。切ることはできないよ。いざ,そういう切られる立場になったらどうしようって思うしね。脳は死んで何もわからなくても心臓はきちんと動いても手も足を体が温かくて生きている人を切り刻んでしまうことはできないね。でも,もらう立場になったらほしいほしいって思うよ。やっぱり人間はむずかしいね。
女子の感想3
もしも自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供をしないと思う。その理由は,最後ぐらいは安らかに死んでいかせたと思っている。
家族@:とても難しい問題で答えられない。テレビや雑誌でいろいろな脳死の話,移植の話を聞くけどもし自分の親が「自分の子が」と思うと,とても答えが出ないよ。お兄ちゃんは?
家族A:ぼくは,ドナー登録を15歳になってから早くしたいと思ってる。
子::私はまだ決められない。だから15歳までじっくり考えたい。
家族@:
臓器を1日も早く必要としている家族の方のことを考えると,だれでもYESといえると思う。お母さんもYESといえる。でも,自分の親が夫が子どもが脳死になったらその時,本人場ドナー登録をしていたとしても,目の前にいる親を夫を子どもを見ていたら,とても,YESといえない気がする。お母さんは死体だとは考えられないから。でも,自分が脳死になったらきっとYESを出すと思う。脳死を死と考えるかどうかは本当に難しいよね。
子::そう,私もそこなの。私も死と考えられないからすごくまよってる」
家族A:ぼくがドナーカードを作っても,お母さんは家族のOKサインはしてくれないの?
家族@ごめん,できない。
家族Aどうして?脳死は死と一緒だから生きていたってしかたないじゃん。
子・家族@:でもね…・。
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女子の感想4
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供すると思う。その理由は,一人でも元気になってほしいと思ってくれるから。
家族::確かに臓器の提供は困っている人を助けてあげたいと思うけど,本心はそのままの体で天国に生かせてあげたいと思う。でもその場になってみないとわからない。
子::それはそうかもしれないね。
女子の感想5
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は,いちかばちか必ず治療してくださいというと思うから。
家族:身近な人では,いないけど脳死になってもまたよみがえることがあると聞いたことがあるから,やはり1%でも希望はすてたくないね。
子:うん,そうだね。私も心臓が動くかもしれないから,心臓はあげたくないなぁ。
家族:じゃあ,もし反対の立場だったらどうする?
子:私は心臓がほしいけど難しい問題だからもうすこし考えてみる。
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女子の感想6
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は,もっと長くいたいと思うから。
家族:そうだよ。お母さんは,脳死を死と思っていないよ。
子:うん,そうだね。家族:あなたはどう思う?
子:脳死は心臓が動いているから死んでないと思うよ。
家族:そうだね。心臓が動いているし,体だって温かいんだよ。それなのにあなたの心臓をあげるなんてできないよ。どんな状態であっても,生きていてほしいよ。
子:うん
家族:でもね,お母さんは自分が脳死の状態だったら早く死んだほうがいいと思っているんだよ。臓器提供のことは考えていないけどね。
子:ふーーん,そうなんだ。家族:あなたはどうしたい?
子:その時にならないと分からない。
家族:そうだね。もう少し大きくなったら考えよう。子:そうだね。
女子の感想7
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供すると思う。その理由は自分が死んでも他の人が助かると思うからです。
家族:母さんも提供すると思う。でもその時になったらパニックになっていると思うからわからないけれど,あなたがもしも死んでも他の人の体で生きつづけると思うと心の支えになると思うし,他の人の命も助かるからお母さんも今,骨髄バンクのドナーカードを持ってるし,近い将来,臓器のドナーカードも持ちたいと思ってるよ。
子:私もお母さんに何かあったら,協力したいいと思う。
女子の感想8
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は今まで,自分が育てた子とできるだけ長く一緒にいたいと思うからです。
家族::そうだね。脳死というのが完全な死ではないのでは?と思うから,体に傷をつけて臓器を取り出してしまうと完全な死になってしまうから,現実に直面したら提供は断るかな?
子:なんで,臓器提供カードは15才以上でないと使えないの?
家族:日本では認められてないんじゃなかったかな?外国では,小さな子の臓器でも提供してもらえるから海外で手術する子どもがいるとおもったけど。
子:心臓だったらペースメーカーつければいいじゃん。
家族:ペースメーカーで心臓のすべての病気がよくなるのではないよ。子::ふーーん。
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女子の感想9
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供をしないと思う。その理由は,さいごまでいっしょにいたいと思うからです。
家族:とてもよい勉強ができたね。そうだな。お母さんの気持はもしも,あなたが脳死した場合,やはり臓器は提供できないなぁ。あなたのからだを傷つけたくないし,あなたの心臓が動いている限り,生き続けてほしいと思うよ。でも,お母さんは自分の臓器は提供したいと思っている。お母さんの代わりに他の人が健康になってもらえるならこんなすばらしいことはないと思うよ。あなたはどう?子:臓器を提供してほしくない。私だったお母さんに生きていてほしいから。家族:そうか。ありがとうね。今はそう思うのも無理はないけど,お母さんがおばあさんになった頃には提供してもいいからね。覚えておいてね。子:はい。
女子の感想10
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供をすると思う。その理由は,私が臓器の提供をしてもいいといったからです。
家族:臓器の提供をしていいと思うようになったのは,近藤先生の話を聞いたから?
子:うん,そうだよ。明るい先生で分かりやすい話だったから臓器提供の大切さがよく理解できたからそう思ったんだよ。
家族:あなたの命の一部分であった臓器が他の人の命救うという偉大さと他の人の命の中で生きているという実感が持てそうな気がするから,お母さんも賛成かな?でも,あまり想像したくないことだよね。でもしかし,自然の摂理にそむくような気もするし難しいところだね。
子:なんかむずかしいなぁ。でも,死ぬ直前の命が他の人の命を救うのはとってもすごいことだよね。お医者さんもそんなことができるなんてすごいし。私は医者になろうかな。家族:はっはっはっ!! 
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男子の感想1
 もしも自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供をすると思う。その理由は,臓器をわたす人を助けたいと思う。
:お母さんだったら,臓器の提供をする?家族:そうね,お母さんだったら提供すると思う。
子:脳死してから人工呼吸器を使う前に心臓がとまったら,どうなると思う?
家族:きっと心臓がとまってしまったら,提供はできないと思うけれどね。
子:今までドナーカードを書こうと思ったことはある?
家族:あるけれども,複雑な気持ね。自分の臓器がまただれかの体の中から取り出されると思うと,なぜか一歩進めない。
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男子の感想2
 もしも,脳死の状態になったら,家族は臓器の提供をすると思う。その理由は,物分りがいいから。
家族:提供するのが,あなたの強い意思で20歳を過ぎていればできる限りその意志を尊重したいとは思うけれど,そうでなければ提供するかわからない。それは子どもの死を受け入れる自信がないから。脳死であっても心臓が動いている限り奇跡を信じたくなるのでは?あなたの心臓は,あなたの中で動いてこそのもので他の人の中で動いてもうれしいと思えるかどうか?若ければ若いほど,常識を超えた回復力があるし…。

子:もちろんいるよ。でも,日本では,子どものドナーは,見とめられていないから海外で移植するんだよ。ただ,それには,何千万というお金や家族の負担があるので,家族は国内で手術が受けられるよう望んでいる。
男子の感想3
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は,もくも家族の臓器を提供しないだろうと思うから。
家族:脳死,臓器移植とはなんか難しい勉強したみたいだけど理解できた?
子:
うん,近藤先生の説明がうまかったからよくわかったよ。家族:臓器移植で助かる人がいるのだから真剣に考えてみる必要があるね。真剣に考えるのがこわいけど。
子:
うん。難しいからこれからお母さんがたちといっしょに考えるよ。
家族:OK.でも,その前に移植できる元気な臓器を作っておかないとね。
子:
それだったら,お母さんもビール減らさないとね。
家族:
いやだ!なんていっていられないか。でもストレスたまる。
男子の感想4
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は,家族がよけい悲しむと思うから。
子:だれが臓器提供を考えたのかな。家族:お医者様と臓器提供を必要としている人達だと思うよ。それで病気が治ったり命ガ助かると思ったら,臓器提供についてももっとやってほしいと思う人がたくさんいると思うけど難しい問題だよね。子:じゃ,お母さんは,ぼくが脳死状態になったら提供する?しない?家族:したくない。したくないけど,お母さんが臓器提供を待つ立場だったら…。それで子:どもの病気が治ったり,助かったりするとしたら,すごく臓器提供してもらいたいと思うだろうね。そのことを考えるとただ,したくないということもできないんだよね。
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男子の感想5
もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は,少しの時間でも一緒いたいと思うから。
家族:おとうさんはしないといっていたし,お母さんもあなたが臓器提供カードに時運の意思表示をしていない限りしないと思う。
子:じゃあ,表示したらどうする?
家族:お父さんといっしょにその時になったら考えます。お母さんの看護学校の実習病院ではその病院に勤めていた医師は全員,亡くなった時に,病院に自分の臓器を献体として提供することが決まっていたけど,中にはそれがいやだと思っている医師もいたらしいよ。看護学校の先生の妹さんが若くて急死されて病院側に臓器提供するか聞かれたけれど,やはり断ったんだって。自分の臓器はよくても家族のはいやなんだよね。みんな…。お父さんの臓器提供についても本人はいいよといっているし,親であるおじいちゃんやおばあちゃんが反対したらお母さんはしないと思う。
男子の感想6
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は,ぼくが心臓をあげてすぐに死んでしまうより,人工呼吸をつけて10日間ほどそばにいたほうがいいと思うから。
家族:そのとおりだよ。たとえ,他の誰かの命が助かるかもしれなくても,大切な子どもの体を切り刻むことなんかぜっったいいやだよ。自分はどう?
子:ぼくも,人工呼吸器をつけて10日間ほどいっしょにいたい。
男子の感想7
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は心臓を他の人にやってしまったらもう会えないと思うからです。
家族:脳死の判定は,死ぬのを待っているような気がするよね。それに,心臓をあげてしまったらもう絶対に生きかえることはできないものね。ドナーカードの「2」にあったように,死んでしまってから心臓以外の臓器をあげることはどう思う?
子:えー。いやだよ。家族:どうして?子:ぼくはぼくのままで死んで生きたいから
家族:
わかったよ。じゃあ,もっと大きくなってから,考えてみようね。
男子の感想8
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供すると思う。その理由はお母さんも脳死になったら臓器提供する思うからです。
家族::自分は臓器提供しても家族の臓器提供はしない。子::なんで?家族::かわいそうでさせられない。でもそれって,思いやりのとりちがえかな?
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男子の感想9
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由はかわいそうだとおもってくれると思うからです。
家族::すごく迷って出した答えみたいだね。脳死状態での臓器提供は家族にとっては,やはり苦しい選択だよ。逆にお母さんが脳死状態になってドナーカードを持っていたら臓器提供はできる?子::すごく迷うけど,ぼくは提供しない。だってまたもとに戻るかもしれないから。家族::そうだよね。お母さんもやっぱりそう思うよ。ただね。必要としている人がいることも確かだから本当に難しい話だね。ところで,何歳から臓器提供できるの?子:15歳からだよ。だかあらぼくが持っていてもただの紙くずだよ。家族:へ――?紙くず?ははは,それはしらなかった。
男子の感想10
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供しないと思う。その理由は,すこしでもいっしょにいたいと思うからです。
家族:そのとおりだけど,おまえが大人になって自分で臓器提供するといえば本人の意思を尊重すると思うよ。
子:お父さんがそういうならそれでいい。家族:じゃ,お父さんが脳死状態になったら,おまえは臓器を提供してもいいと思う?
子:でも,臓器提供で何人もの命が助かると思うとこれからよく考えて家族でもっと話し合って行こうね。
男子の感想11
 もしも,自分が脳死の状態になったら,家族は臓器の提供をすると思う。その理由は,死んでしまうなら人の役に立ったほうがいいと思うからです。
家族:あなた自身のその気持はわからないでもないけど,いざ,脳死になったあなたを見た時,お母さんはちょっといやだな。
子:うん
家族:だから,ドナーカードに家族の署名は今のところできないと思う。
子:でも,もう死んじゃうから役に立ったほうが委員じゃないかな。
家族:だけど,まだ温かい子ども,もしかしたら行きかえるかもしれないという望みだってあるんだからそれを思うとちょっとね。前からよく考えているんだけど本人はそれでいいかもしれないし,そうしてあげることんも大事だとは思うんだけど,その場面を想像すると本当にどうしていいのか分からなくなる。
子:うーん。そうかもね。
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 脳死や臓器提供について,家族で話し合いができたことは,たいへん意義のあるものだと感じました。こうした取り組みに,家庭が快く協力してくださるところがこの学年のすばらしいところです。(いや,この地区といったほうがいいのか…) この取り組みの続編として,第2回学校保健委員会では,6年生を対象に「デスエデュケーション」の学習を計画しています。